日本の商標法には、以下の記載があります。
「(商標登録表示)
第73条 商標権者、専用使用権者又は通常使用権者は、経済産業省令で定めるところにより、指定商品若しくは指定商品の包装若しくは指定役務の提供の用に供する物に登録商標を付するとき、又は指定役務の提供に当たりその提供を受ける者の当該指定役務の提供に係る物に登録商標を付するときは、その商標にその商標が登録商標である旨の表示(以下「商標登録表示」という。)を付するように努めなければならない。」との規定があります。
日本の商標法は、登録商標の表示について努めなければならないとの、いわゆる訓示規定になっています。
よって、日本の商標法によれば、「登録商標第○○○○号」との記載になります。
「®」は、アメリカ商標法に定められています。
判決においては、「®のマークは、本来、米国における商標登録の表示形式であって、日本において登録商標の表示として公認されている法定形式ではない」とされています。
微力ではございますが、クリニック・医院・病院の方々にとって商標登録がなぜ必要かについてご説明をさせていただきます。
クリニック・医院・病院などの医業の方々は医療行為を行われていますが、サービス業、いわゆるビジネスという側面もあります。
そのビジネス面からホームページを活用されることが多くなっています。
クリニックや医院の方々は、ホームページによるオンラインでの予約システムを取り入れるなどされています。
ホームページは世界中、日本中に発信されます。
従来、クリニックや医院では営業エリアが比較的狭い範囲に限定されており、クリニックや医院の名称やロゴが他人の商標権を侵害していることが問題になりにくかったといえます。
しかしながら、ホームページを活用することで、他人のクリニックや医院の名称やロゴを侵害していることが問題になることが増えるかもしれません。
歯科医院同士が商標権を侵害しているか否かを争った裁判がありました。
「スターデンタル」という商標を第44類の「歯科医業」について、九段下スター歯科医院は商標登録をしていました。
一方、「赤坂スターデンタルクリニック」という名称を使用している歯科医院がありました。
九段下スター歯科医院は「赤坂スターデンタルクリニック」は「スターデンタル」の商標権を侵害しているとして裁判所に訴訟が提起しました。
結論は、原告が勝訴しました。
「赤坂」は地名であり、「クリニック」は歯科医業など医業のサービス分野においては一般的に使用されている名称に該当するとして、「赤坂」と「クリニック」を除いて判断しました。
そのため、「スターデンタル」と「赤坂スターデンタルクリニック」は類似、いわゆる似ていると判断され、原告が勝訴しました。
その後、「赤坂スターデンタルクリニック」の商標を使用していた被告は控訴しましたが、控訴審においても控訴人(原審被告)敗訴という結論になりました。
このように裁判になると多額の費用と労力がかかってしまいます。
クリニックや医院の方々は、今後、ホームページをさらに活用されることが予想されます。
そうなるとこのような事例が増えるかもしれません。
仮に、クリニックや医院が大きくなり、有名になれば、その名称、ロゴなどが問題となり、トラブルになる可能性があります。
トラブルにならないためにも商標登録は必要です。
ちなみに、その他の手数料の平均は12万円程度といわれておりその3分の1程度です。
非常に低価格ですが、自分で言うのもおこがましいですが、高品質です、実績もございます。
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平面商標と立体商標
「商標」とは、簡単にいうと、文字や図形等が、他人の商品又はサービスとを区別する目印、トレードマークのことをいいます。
以前は、立体的な形状は商標登録としては保護されませんでした。
そこで、平成9年4月、商標法の改正が施行され、立体的な形状が商標登録できるようになりました。
ちなみに、そのような立体商標と区別するため、立体的ではないものは、いわゆる平面商標といっています。
立体商標の誕生の経緯
商標の種類として、商品名などの文字だけで構成された文字商標、ロゴやキャラクターなどの図形等で構成された図形商標、文字と図形等の組合せの結合商標などがあります。いわゆる平面商標です。
しかしながら、立体的な形状は、商標登録として保護されていませんでした。
1つの例として、かに料理店における、「大きな動くかに」の看板を模倣した看板を、その他の業者が使用していた行為について裁判で争われました(「動くかに看板事件」昭和62年)。裁判では、模倣した看板が不正競争防止法の「出処の混同を惹起する行為」、「他人の著名な商品等表示を使用する行為」に該当するとして、看板の使用禁止、損害賠償の請求が認められました。
このように、例えば、看板、ファーストフード店の人形、飲料の瓶の形、乳酸菌飲料の容器の形など、立体的な形状において、どの会社の商品やサービスであるかを区別している場合があります。
特定の著名なファーストフード店の人形にそっくりな人形を、関係のない会社が使用したら、消費者は、その人形を見て、誤認する可能性があります。
外国では、以前から、こうした立体商標も、商標として認められ、保護できました。
そのような外国の影響もあり、我が国でも、識別力がある立体的な形状をした、キャラクター、瓶、容器、看板などについて、立体商標として認められ、保護されるようになりました。
ちなみに、平成9年以前は立体商標を保護できないため、立体を平面図形にしてから商標登録することもあったようです。
立体商標と意匠権のどっち?
立体商標は、平面商標と同じように、書類、願書を提出します。
立体商標を申請するとき、キャラクター、看板などの模型を特許庁に持参する必要はありません。
「立体商標」である旨を表示した上で、複数の角度から写した写真などを添えて提出します。
しかしながら、商標登録により、立体的な形状を独占的に使用できる、強い権利を有します。
そのため、立体商標は、平面商標と比較して、商標登録になるまでには壁があり、ハードルが高くなっています。
立体的なデザインについては【意匠登録、意匠権】でも保護が可能です。
立体物を保護する場合、商標権か、意匠権かのどちらがよいのかなど、お悩みのときはご相談ください。
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