アパレルの商標登録とは!?
アパレル関連、服、靴、アクセサリー、かばん、化粧品等のファッションブランドの商標登録の特徴、傾向、区分等について説明します。
アパレル商品は、流行性や季節性に左右され、移り変わりが激しいという特徴があります。
また、ブランド名によって、商品を買う傾向が強いことです。
例えば、HERMES(エルメス) 、CHANEL(シャネル)、LOUIS VUITTON(ルイ・ヴィトン) 、 DIOR(ディオール) のように、ブランド名を見て、アパレル製品、服、くつ、かばん、バック、アクセサリー、化粧品などのファッション製品を買うことが多くなっています。
そのため、ブランドを保護するため、商標登録を行うことが特色です。
商標出願の数は、商品分野において、3位が、アパレルの中心的な区分である、第25類の被服、靴です。
ちなみに、1位は、第9類の各種機械器具・ソフトウェア関連、2位は、第30類の菓子・食料品関連です。
アパレル業界の方々が、数多くの商標出願を行い、ブランドの保護を積極的に図っています。
ファッション業界では、数多くのブランドが生まれている証です。
アパレル製品は、どのブランドか、との観点が重要になるのです。
そのため、ブランドにより、差別化を図る必要があります。
その差別化を図る上で、他人に使用させないことができる商標権が重要になってきます。
商標権があれば、他人に同一又は類似の範囲で使用するなと言えます。
そのため、アパレルブランドは、その他と比べて、商標登録をして、商標権を得ることが必要なのです。
すなわち、ブランド名を法的に保護するのが商標登録です。
ブランド名を使用するために商標登録を必ずする必要はありません。
しかしながら、商標登録しないで、商標を使い続けるときのリスクを知っておくことは重要です。
自分が考えたブランド名やロゴが、商標登録しないと、使えなくなる可能性があります。
商標登録は、原則、早い者勝ちで、商標登録出願を先にした方が勝ちます。
すなわち、商標登録は、リスクを回避するお守りになるのです。
また、ブランド価値を高め、競合他社との差別化を図ることができるのです。
さらに、商標登録することで、宣伝となり、信用が高まります。
ここでは、アパレルブランド、ファッションブランドの商標登録について詳細に解説します。
1.ブランド名が重要
アパレルブランド、ファッションブランドはブランド名が重要な業界ということもあり、商標登録する会社が多くなっています。
アパレル業界では、製品の種類を見ると、例えば、服は、セーター、ズボンなどのように、基本的にどの会社も、商品は同じで、商品で他社と差をつけることは難しいことです。
その場合に、ユーザー、消費者にとって重要なのは、「どこのブランドの服、衣類か?」ということになります。
例えば、同じ素材の100%コットンのティーシャツについて、無名ブランドとCHANEL(シャネル)では、金額が大きく異なっています。
数多くのブランドがそれぞれの顧客を定着させるためには、他社と差別化できる商標があって初めてできます。
すなわち、アパレルブランドは、ブランドイメージの根幹なのです。
そのため、他人に勝手にブランド名を使わせないためには、商標登録は必要なのです。
2.アパレル業界の特徴
アパレル業界では、商標登録に他の業界とは異なる特徴があります。
例えば、流行が早い、アパレル関連商品は種類が多い、デザイナの方自身の個人名の商標登録したいとの要望がある。
(1)流行が早い
アパレル業界は、他の業界と比べて、流行の移り変わりが早く、今年よいとされた商品でも、来年には古いと言われることが多くなっています。
流行が早いため、この商品は商標登録すべき商品か、十分に検討しましょう。
商標登録は、出願してから登録までに時間がかかるため、商標登録したときにはブームが去っているということもあります。
ただし、商標登録出願について、一定要件を満たし、早期審査制度を利用すれば、出願してから2ヵ月程度で商標登録が可能です。
(2)アパレル関連商品は種類が多い
アパレル関連の商標登録を出願申請するためには「願書」の作成が必要です。
願書には、保護を受けたい商品やサービスを、「区分ごと」に記載することが必要です。
アパレル関連商品は、その願書の区分が多くなります。
区分が増えるとそれだけ費用も余計にかかります。
商標は追加出願し、カバーする区分をあとから増やすことも可能です。
しかしながら、他人が先に出願してしまうリスクがあります。
そのため、商品化する可能性が高い区分は、可能な限り、早目に出願することをお勧めします。
商標登録するときは、商品ごとに優先順位を決めてから登録しましょう。
アパレル関連製品は区分が多く、流行の移り変わりが早い業界です。
そこで、例えば、売り続ける定番商品を優先して登録をしたり、商品化する可能性が高い商品から商標登録するように、優先順位をつけましょう。
(3)個人名ブランドの商標登録
個人名ブランドの商標登録は、原則、同姓同名の方がいる場合はすることができません。商標法では、
人格権保護のため、他人の氏名はその人の承諾がない限り商標登録できないことになっています(商標法第4条1項8号)。珍しい人名の場合は、その人から承諾を得られるケースもあります。しかしながら、同姓同名の人がたくさんいる場合は全員から承諾を得なければならず、難しくなります。
例えば、アクセサリーデザイナーの菊池健さんが使用していた、「KENKIKUCHI」の文字部分を含むロゴを商標登録出願しましたが、4条1項8号違反で拒絶となりました。その後、不服審判、審決取消訴訟において争いましたが、覆りませんでした。
一方、「マツモトキヨシ」のフレーズを「音の商標」として出願したところ、「他人の人名が含まれる」と特許庁に拒絶されました。その後、知財高裁では、「フレーズから連想されるのはドラッグストアとしてのマツモトキヨシであり、人の氏名を指すものとはいえない」との判断を2021年8月にしています。(「マツモトキヨシ」の音商標に関する令和2年(行ケ)第10126号)。
以上のように、ドラッグストアとしてのマツモトキヨシであり、人の氏名を指すものとはいえないと判断されるなどの特殊事情がない限りと、難しくなっています。
3.アパレル関連の区分
アパレル関連の商標登録に関する区分は、他の分野と比べても多くなっています。
ファッション関連商品の場合、ファッション関連アイテムには様々なものがあり、その性質、用途、素材により、複数の区分に分かれていることなどが特徴的です。
アパレル関連商品は、例えば、以下になります。
区分 | 商品の例 |
3類 | つけづめ、つけまつ毛、香水、化粧品など |
9類 | メガネ、サングラス |
14類 | ネックレス、指輪、腕時計、キーホルダー |
18類 | バッグ、財布、化粧ポーチ |
25類 | 衣類 |
26類 | ボタン類、ブローチ、ヘアバンド |
35類 | 店舗名、通販サイト、小売店のサービス(インターネット含む) |
アパレル関連ブランドは、「被服(25類)」だけではなく、その他に区分が広がっています。
各区分について詳細を説明します。
(1)3類のつけづめ、つけまつ毛、香水、化粧品など
3類の主な商品については、化粧品、せっけん類、歯磨きなどです。
化粧品については、ファッション関連商品に含まれるかもしれません。
また、つけづめ、つけまつ毛、香水なども3類になります。
最近は、ずっとマスクをしていますが、目の化粧品であるマスカラなどは、ファッションアイテムになるではないでしょうか。
また、マニュキアと併せて、つけづめもファッションアイテムに含まれるのではないでしょうか。
例えば、CHANEL(シャネル)は、化粧品にも力を入れています。
(2)9類の メガネ、サングラスなど
9類の主な商品については、カメラ、テレビジョンなどの電気通信機械器具、スマートフォン、電子計算機用プログラムなです。
ただし、9類の中には、眼鏡、サングラスなどが入ります。
そのため、眼鏡やサングラスを商品として販売する場合は、9類もおさえる必要があります。
(3)14類 のイヤリング、ネックレス、指輪、時計など
いわゆるアクセサリーアイテムは、14類になります。
イヤリング、ネックレス、ブレスレット、ペンダント、ブローチ、指輪、ネクタイピン、カフスボタン、腕時計などの時計になります。
また、14類には貴金属も含まれます。
(4)18類のかばん類、財布、傘など
いわゆる小物は、18類になります。
かばん類、袋物、財布、名刺入れ、傘などです。
(5)25類 の洋服、下着、和服、帽子、靴類など
アパレル製品の中心となる区分です。
洋服、コート、セーター類、ワイシャツ類、寝巻類、下着、キャミソール、ティーシャツ、和服、帽子、ベルト、靴類、運動用特殊靴、運動用特殊衣装などで、被服や履物の全般になります。
(6)26類の ヘアバンド、かつら、ボタン類など
貴金属以外のいわゆるアクセサリー類は、26類になります。
ボタン、ホック、ジッパーなどのボタン類、つけ口ひげ、かつら、ヘアバンド、ヘアピンなどの頭飾品、衣装用ブローチなど入ります。
(7)35類 の店舗名、ECサイト名など
35類は、商品ではなく、サービス(役務)になります。
代表例は、店舗名、ECサイト名になります。
商標法の区分では、小売や卸売になります。
アパレル関連のサービスについては、主として、以下になります。
織物及び寝具類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供
被服の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供
履物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供
かばん類及び袋物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供
身の回り品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供などの小売・卸売
その他として、広告業、商品の販売に関する情報の提供などのサービスがあります。
アパレルブランドでは、店舗名、ECサイト名として、使っていることが多くなっています。
例えば、ユニクロで有名な株式会社ファーストリテイリングは、「ユニクロ」のブランド名を以下のように、35類で登録しています。
35類の「被服の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,織物及び寝具類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,履物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,かばん類及び袋物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,身の回り品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,眼鏡及び時計の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,化粧品・歯磨き及びせっけん類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,薬剤及び医療補助品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,織物製トイレットシートカバー・トイレ用織物製フタカバー・トイレットペーパーホルダー用織物製カバーの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,敷物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」
商標登録第5137361号(登録日平成20(2008)年 6月 6日)
さらに、アパレル業界は、社名、屋号は、ECサイト名と違うことも多いと思います。社名、屋号は、表に出てくるもものであり、ブランドの名称以外で、社名、屋号も商標登録する必要があります。
また、会社名、屋号等の略称やイニシャルを3から5文字程度のアルファベットで表示する場合、それは元とした表示とは違う商標となります。
そのため、それぞれに商標登録を受ける必要があります。例えば、NHK、NTTのようなものです。
4.海外で衣料品を製造の注意点
海外で衣料品を生産して、日本に輸入している会社様が多いですが、注意が必要です。
海外で衣料品を製造して商標を付す場合、日本に輸入にときに日本で商標登録が必要なります。
さらに、原則として、衣料品に商標を付した、その国でも商標登録が必要になります。
アパレル企業、ファッション関連の会社、デザイン事務所、デザイナー、ファッションデザイナーなどの数多くの実績がございます。ファッション・アパレル業界に強いと評価されており大人気の商標登録です。
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