ネーミングの前に商標調査して、ネーミングを考えます。
会社の企画担当の方から新しい商品のネーミングを時間と手間をかけて開発したが、その後、商標調査したら商標登録できないことがわかり、そのネーミングはボツになったとの話をよく聞きます。
そのような時間や手間を省くため、当所ではネーミングをすると同時に商標調査をします。
そのため、ネーミングしたけど、商標調査してだめだったということがございません。
ところで、商標のネーミングを考えるときに、既成語と造語に分けます。
大雑把にいって、既成語とは、特定の意味を有する語として辞書等に記載されている言葉になります。
造語とは、辞書等に記載されていない言葉です。
会社のネーミングでは、既成語をよく使われます。
既成語はわかりやすいし、消費者も商品を理解しやすいためです。
ただし、商品や役務との関係で商標登録が認められないことがあります。
一方、造語は、商品について初めはイメージができません。
ただし、宣伝により知名度があがれば、規既成語以上に効果がでます。
商標登録は認められやすいといえます。
その他として、既成語と既成語を組み合わせて造語にする、ネーミングも可能です。
このように組み合わせると、既成語単独では商標登録が認められなくても組み合わせることによって商標登録が認められるケースが多数あります。
会社のネーミングでよくされるのが、商品やサービスの内容をそのまま名前とすることがよくあります。
これを記述的な商標といいます。
商品の内容をそのままネーミングにすると消費者にすぐに理解してもらえます。
しかし、内容をそのままネーミングすると、多くの場合商標登録が認められません。
簡単にいうと、記述的な商標は他社の商標と区別しにくく、そのような記述的な商標は誰でも使いたいと思うものなので独占することは望ましくないと考えられているからです。
会社様の多くがこのようなネーミングをされた後、商標調査して、商標登録できないことがわかります。
したがって、商品等の内容をそのまま名前とするのではなく、少し変形する必要があります。
変形することにより、記述的な商標は商標登録が認められることがあります。
このことを示唆的な商標、暗示的な商標といいます。
記述的か、示唆的(暗示的)かどうかの線引きは明確ではなく、商品や役務の種類や実際の取引における使用例の有無等に基づいて個別具体的に判断されることになります。
微妙な線引きになります。
その点も考慮して、ネーミングします。
また、我が国は、日本語の次に英語を使います。
そのため、英語は、例えば、前述した記述的商標の場合には商標登録できないと判断されることが多くなっています。
しかし、英語以外の外国語は、普通の消費者はなじみがありません。
そのため、本来の意味では商標登録が認められない言葉であっても、英語以外の外国語であれば商標登録が認められる場合があります。
ただし、ファッションの分野でのフランス語とイタリア語、医薬の分野でのドイツ語は、平易な単語であれば、英語と同じように、その意味に基づいて商標登録を認めるか否かが判断されることが多くなっています。
ファッション業界の方、デザイナーの方からよく相談されます。
フランス語をこの服のブランド名したいと言われます。
しかし、考えることは同じことが多く、登録できないネーミングを提案されることが多くなっています。
なお、タイ語、アラビア語、ハングルなどのアルファベットではない外国語の場合には、文字ではなく図形として判断される場合があります。
さらに、一般的には、以下の観点からなされます。
また、ネーミングにあたり、
一. 意味性 ネーミングがコンセプトを反映しているのか
二. 伝達性 ネーミングにより意味することが伝わるのか
三. 耐久性 ネーミングが流行に左右されず、長く使用できるのか
ネーミングが人間の感覚として、
目―読みやすいのか
耳―聞きとりやすいのか
口―言いやすいのか
頭―覚えやすいのか
心―印象に残りやすいのか
1. ライバル企業などとの自他識別
ライバル企業などとの差別化を図り、 自社のブランドとして区別できるネーミングにする必要があります。
2. ユーザーに対するイメージ訴求
ユーザーに対して、どのようなイメージを訴求するのかを考え、自社のブランドとしていいイメージのネーミングにする必要があります。
3. 社内の伝達
社内の社員に対して、どのように伝えていくのかを考え、自社のブランドとして社内のモチベーションが高まるネーミングにする必要があります。
4. ネイティブチェック
外国において、そのネーミングに悪いイメージがないかを考える必要があります。
以上は、基本中の基本になります。
それらの基本を踏まえて独自のノウハウがあります。
リーガルとクリエイティブの両方の発想でのネーミング、ロゴ開発を行います。
東証1部上場企業、中小企業、個人の方々などの多数の実績を有しています。
当所のネーミングは、ネーミングを決定する前に、商標調査を行います。
コストとお時間をかけて、ネーミングを行った後、商標調査を行い、そのネーミングでは、登録できないないため、そのネーミングで、ビジネスが行えないというお話は多くございます。
そのような場合は、お客様にとってコストとお時間が無駄になります。
そこで、当所では、事前に、調査を行った上で、ネーミングを行います。
ネーミングは、今までの実務経験などに基づき独自のノウハウで行います。
独自のノウハウで、お客様にとって、最もいいネーミングを提案いたします。
なお、ネーミングの守秘義務は厳守いたします。
守秘義務のため、公表はできませんが、東証1部上場企業、中小企業、個人の方々などの実績を有しています。
また、ネーミングとともに、ロゴ作成も行っています。
ロゴ作成についても多数の実績を有しています。
以上のように、ネーミング・ブランドネーム・ロゴ開発により、お客様にとって最もよいものにします。
商標法等の法律とブランド・ブランディングなどを総合的に考慮し、商標をプランニングさせていただき、商標名を考える段階から、商標登録後のことまで、お客様とともに商標登録をコーディネートします。
そして、ブランド戦略としてのブランドマーケティングという視点からもアプローチし、さらに、商標登録が効果的になるように工夫します。
中長期的にみて経済価値を生み出すためのブランド戦略に商標登録を組み入れます。
心よりご依頼をお待ちしています。
以下、企業様のネーミングの由来について記載します。
◎ 資生堂の社名
「SHISEIDO GROUP」のホームページに、資生堂の社名は、中国の古典、四書五経のひとつ『易経』から来ています。
西洋の最先端の薬学をベースに興す一方で、社名は東洋哲学から命名するという、 西洋の科学と東洋の叡智を融合した先取りの気質が、資生堂の成り立ちでもあったわけです。」との記載があります。
◎ ワコールの由来
株式会社ワコールホールディングスのホームページに、弊社の旧社名は和江商事といい、商標はクローバー印を使用していました。
この商標を新しくする際に和江商事の”和江”を”留める”という意味で和江留という漢字から現在の”ワコール”という言葉を創り出し、これを商標としました。
そしてこの商標が消費者の皆様に定着していったことから昭和32年(1957年)に社名(商号)もワコールとしました。」との記載があります。
◎ 花王の社名
花王株式会社のホームページに、「花王の社名は最初に作った石けんの名前に由来しています。」との記載があります。
◎ キヤノン株式会社の語源
キヤノン株式会社のホームページに、「Canonの語源には、「正典」「規範」「標準」という意味があります。
そこにはキヤノンが先進の技術とサービス活動において世界の標準となり、業界の規範として活動していくという企業精神が込められています。」との記載があります。
◎ SONYの由来
ソニー株式会社のホームページに、「音『SONIC』の語源となったラテン語の『SONUS (ソヌス)』と小さいとか坊やという意味の『SONNY』から来ています。
簡単な名前で、どこの国の言葉でもだいたい同じように読めて、発音できることが大事ということで考案されました。」との記載があります。
◎ グリコの由来
江崎グリコ株式会社のホームページに、「栄養素グリコーゲンを食べやすく、おいしくしたのがグリコ。グリコの名前はグリコーゲンからきています。
当初キャラメルが一般的に知られていることから、グリコキャラメルの案もでましたが、全く新しい栄養菓子を創りたい、との願いを込めて「グリコ」にしました。」との記載があります。
◎ ヱスビー食品の由来
ヱスビー食品株式会社のホームページに、ヒドリ印に「太陽=SUN」と「鳥=BIRD」の頭文字である「S&B」を併記して商標としました。
これがエスビーの呼び名の始めです。
創業者・山崎峯次郎が、日本で初めて純国産のカレー粉の製造に成功して、1923年(大正12年)4月5日、浅草七軒町に創業したのが、エスビー食品の前身、『日賀志屋』でした。
その社名の意味するところは、「一日一日を賀(よろこ)び、志をたてて商売にいそしみ励む」というものでした。
そののち、1930年(昭和5年)「太陽」と「鳥」を図案化したヒドリ印をその商標としました。
この『太陽』と『鳥』を図案化した商標には、社運が、日が昇る勢いであるように、また鳥が自由に大空をかけめぐるように、自社製品が津々浦々まで行き渡る」願いが込められていました。
そして、その翌年1931年には、そのヒドリ印に「太陽=SUN」と「鳥=BIRD」の頭文字である「S&B」を併記して商標としました。
これがエスビーの呼び名の始めです。
この背景には事業も順調に発展し、また英語知識も普及したこと、そして商品の世界的性格もあったと言われています。
そして戦後1949年(昭和24年)に企業近代化の一環として、 時代の流れに添い広く慣れ親しまれた「S&B」に因み、 「ヱスビー食品株式会社」と社名を変更しました。」との記載があります。