商標登録とキャラクター
キャラクタービジネスと商標登録とは何か
商品販売のためのプラットフォームが普及して、コンテンツのオリジナルキャラクターを活用したブランディングが容易になり、会社のみならず、個人の方でもできるようになりました。
そのため、コンテンツビジネス、キャラクタービジネスを行いたいと考えている方々が多いと思います。
その際に、考慮しないといけないことの1つが、商標登録です。
コンテンツ(キャラクター)ビジネスを行う場合、指定商品や指定役務(サービス)をどうすればよいのか、画像を商標登録すべきか、キャラクターの名称を商標登録すべきか等で悩んでいる方々は多いのではないでしょうか。
そこで、コンテンツ(キャラクター)ビジネスを成功させるため、1つの考え方として、商標登録の注意点等についてご紹介します。
1.指定商品と指定役務
コンテンツ(キャラクター)ビジネスでは、コンテンツ(キャラクター)商品の販売、イベントでの着ぐるみの活用、画像や動画をアップしたりすることなどが考えられます。
(1)キャラクターグッズの販売
コンテンツ(キャラクター)商品の販売については、数多くの指定商品が考えられます。
ここでは、代表的なものを挙げます。
第9類 スマートフォン用カバー,スマートフォン用ストラップ
第14類 アクセサリー
第16類 印刷物、文房具類、写真
第18類 かばん類、袋物
第24類 タオル,ハンカチ
第25類 被服、履物
第26類 ボタン類
第28類 おもちゃ,人形
それ以外にも、商品はあると思います。
コンテンツ(キャラクター)グッズの販売について、数多くの指定商品が考えられ、指定商品の類の数が多いほど、それに比例して商標登録するときに必ずかかる実費である印紙代がかかります。
その商標登録の費用については、考慮する必要はあります。
(2)画像
例えば、LINEにおいてキャラクターの画像を提供したりしています。なお、LINEの文字は商標登録されています。コンテンツ(キャラクター)ビジネスでは、スマートフォン等で画像をダウンロードさせる場合が多くなっています。
そのときに、指定商品と指定役務の1つの例として、第9類の「ダウンロード可能な画像」が考えられます。その他として、同じ第9類では「電子計算機用プログラム,電子出版物」などの商品も考えられます。さらに、第42類の「電子計算機のプログラムの設計・作成又は 保守」などのサービスも考えられます。
(3)動画
動画をアップしたりすること、例えば、Youtube(商標登録第4999382号等)などで動画をアップすることも多くなっています。
そのときに、指定商品と指定役務の1つの例として、第41類の「映画・演芸・演劇又は音楽の演奏の興行の企画又は運営,映画の上映・制作又は配給,演劇の演出又は上演,興行の企画・運営又は開催(映画・演芸・演劇・音楽の演奏の興行及びスポーツ・競馬・競輪・競艇・小型自動車競走の興行に関するものを除く。)」などが考えられます。
簡単にいうと、第41類はイベント等に関する区分になります。
2.画像の保護
コンテンツ(キャラクター)において、多種多様な多くの画像がある場合は、そのすべての画像を完全に商標権で保護するのは難しいかもしれません。
すべてのパターンを商標登録しようとした場合に、膨大な費用がかかってしまうことになります。
そこで、キャラクターの代表的な画像を商標登録することが一般的になっています。
代表的な画像を商標登録すれば、例えば、その画像に含まれるキャラクターをアレンジしたものは類似範囲になる可能性があり、その類似範囲となれば、第三者が登録すること、使用することを排除できます。
さらに、画像について、その原画が著作物として保護される可能性が高いと考えられます。
そのため、著作権でも保護が可能です。
そこで、代表的な画像を商標登録し、そして、商標登録で足りない範囲は、著作権で保護するというのがよいかと考えます。
ただし、著作権は、著作物を真似していたり、参考にしていたりするときに、それを証明する必要があります。
よって、権利行使をするときに証明するのに、手間などがかかるデメリットがあります。
それに対して、商標権は、同一又は類似の範囲で、指定商品・役務と同一又は類似の商品・役務に使用した、他人がいる場合、過失の推定があり、商標権者が証明しなくても過失があると推定されます。その場合には、他人は過失がないことを証明する必要があります。
そのため、著作権と逆になり、権利者に証明する手間などがないため、商標登録はメリットがあります。
3.名称の保護
キャラクターの名称、名前は著作権では原則として保護することができません。
画像は著作権で保護できる可能性がありますが、名称、名前は著作物としては認められない可能性が高くなっています。
よって、名称、名前を保護するためには商標登録を考える必要があります。
以上のように、コンテンツ(キャラクター)ビジネスの商標登録について、1つの例として、記載しました。
コンテンツ(キャラクター)ビジネスの商標登録は、指定商品や指定役務が複雑でわかりにくい場合があります。また、著作権との関係があります。
そのため、商標登録、著作権の実績がある当所にご相談していただけれると幸いでございます。
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